カラオケが上達するメソッド5/基礎編「発声」
発声の重要性
歌うことは「発声に始まり発声に終わる」と言っても過言ではないほど発声に左右されます。
声帯の動きが悪いと声を出すために余計な力が入り、音程が悪くなったり、リズムが遅れたり、息漏れをして息が足りなくなったりするからです。
スポーツ選手が、筋トレや走り込みなどの基礎となるトレーニングをすることで様々なパフォーマンスにつながるのと同じで、基礎ができていれば色々な技術を身に付けたり、多くのジャンルの歌を歌うことができます。
口の形
声を出す前に、まずは口の開け方です。
下あごは前に出したり後ろに引いたりせず、ただ軽く下に下げます。
このイラストのように大きく開けるのは、あまり良くありません。
この時、横から見ると「>」のような形になり口の奥が狭くなるからです。
奥が狭くなるということは喉が狭くなり、舌根(舌の付け根)にも力が入りやすくなります。
喉の周辺が硬く絞められると、あまり響かず、音量も少なくなります。
そうならないように口はあまり大きく開けずに、口の奥を広げ「>」ではのく「コ」のような形にします。
舌根を下げ、軟口蓋(口の天井奥の柔らかい部分)を上げるように開けます。
口の奥が広くなったのがわかると思います。
口の中の空間を確保するとによって良い響きの豊かな声が出るようになります。
この時、舌根と下あごに力が入らないように注意してくださいね。
発声の練習方法
発声練習する声の高さは、普段話している声より少し高いくらいの声から始めると良いと思います。
声を出す前に呼吸法をやってみましょう。(メソッド4/呼吸法参照)
お腹でゆっくりと息を吸って止めます。
一定の速さでゆっくりと、スーっと息を出します。
この呼吸を使って、今度は息だけでなく「ア」の音を乗せて発声します。
口の奥を広く開けて、喉と下あごに力を入れず、「ア」の口をして優しく出します。
喉や下あごに力が入らないように、一定の強さで真っすぐに、息の続く限り出してみましょう。
息がなくなったらまたお腹を使ってゆっくりと息を吸い、一連の流れを繰り返します。
いきなり大きな声を出すと喉に負担がかかるので、少し弱めの声で練習をしてみてください。
慣れてきたら、少しずつ大きな声にしてみましょう。
応用編
次に、歌には言葉や音の高さがあるので、そのための練習をします。
まず言葉。
日本語は、ア・イ・ウ・エ・オの母音5個と、それに子音が組み合わさった45個、ンの51音です。
発声練習は5個の母音でします。
なぜならば、例えば「さ」という文字は、S+アで成り立っています。
子音は無声音なので、声として鳴っているのは母音だけだからです。
先ほどの「ア」で真っすぐに出した声を使います。
発声しやすいように「ア・エ・イ・オ・ウ」の順にします。
アの後のエ・イ・オ・ウは喉を突いて言わずに
口の形や舌で変える
喉でア、エと発音せず、アーと発声したらそのまま「ア」を出し続けながら、口の形などを動かすだけで「エイオウ」にします。
喉を突いて母音を変えると口の奥がせまくなったり、声が途切れてしまうからです。
息を止めずに、ずっと声帯が鳴っている状態を保つようにしましょう。
この練習は、歌う時にどんな言葉が出てきても声が途切れずに歌うためのものです。
そしてもう一つは高さ。
歌には音の高い低いがあるので、それに対応するための練習です。
「ドレミレド」を「ア」で歌います。
「アー」と伸ばしながら、声帯と息の流れを使って音の高さを変えます。
「ア・ア・ア・ア・ア」と歌わない
デコボコしないように、なめらかに
これは音の高さが変わっても、なめらかに歌うための練習です。
最初はゆっくりと。
できるようになったら少しテンポを上げてみたり、音の高さを上げてみましょう。
この様な方法で練習すると、声帯周辺の筋肉が少しずつ動くようになり声が出しやすくなります。
練習すればするほど声が出てくるので、ぜひ練習してみてください。