カラオケ上達メソッド12/中級編「採点項目について・その2」
この「採点項目」はDAM精密採点Aiを基に説明しています。
表現力
「音程」(メソッド11)は基本的な要素の音程・リズム・テンポの3つが含まれているので、正確率を上げるこはとても大切ですが、それだけでは「正しく歌えている」ということなんです。
その基本となる部分に強弱やいくつかのテクニックを付け加えると、立体的で、表情豊かな歌になります。
その足された部分を評価するのが、この「表現力」という項目です。
DAMでは「抑揚」「しゃくり」「フォール」「こぶし」の4項目が採点され、その合計が「表現力」の点数になります。
抑揚
メソッド8にも書きましたが「抑揚」とは強弱を用いて歌に浮き沈みを付けることです。
強弱を付けると立体的になり、楽しい、悲しいなどの感情や盛り上がる部分が鮮明になります。
まずは歌う曲の構成を確認します。
サビが一番盛り上がる山となる部分なので、そこを一番大きく強い声で歌います。
サビを自分が出せる最大値の声で歌うために、それ以外の部分は引き算をして弱く歌います。
Aメロ、Bメロなどの構成は曲によって違いますが、原曲を参考にしてどくらい弱く歌うのか設定します。
そして、抑揚が付いたフレーズとフレーズやAメロ、Bメロなどをスムースにつなげることができると一筋の「流れ」ができます。
この「流れ」こそが聴いている人を感動させる源なんです。
しゃくり
「しゃくり」とは歌い始めを本来の音よりも低い音から入り、しゃくり上げてその音に入る歌い方です。
スローテンポだとなめらかだったり、アップテンポだとキレが良いなど、アクセントのような効果があります。
「しゃくり」はテクニックなので加点されますが、少し注意すべき点があります。
メソッド9でも書きましたが、付けたつもりがないのに「しゃくり」のマークが付いた場合は、正しい音より低い音から歌い始めているということです。
たまたま加点されてラッキーでしたが、音程が悪いということなので、微妙なところで「しゃくり」と判断されない場合は減点されてしまいます。
そして、しゃくり上げて歌うことで、本来の音へ到達するのに時間がかかって遅れてしまい、減点されることにつながることもあります。
このようなことから無意識の「しゃくり」が多い人は、加点されたことに喜ばず、極力減らしていくことをお勧めします。
フォール
これは「しゃくり」とは逆で、歌い終わりをフワッと落とす歌い方です。
代表的なところでは、歌手のポルノグラフィティやaikoなどがよく使っています。
この唱法は、メロディがなめらかで艶っぽく、とても魅力的な歌になりますが、テクニック的な難度は高めです。
何となく下げると音程が不安定になるので、基となる音をしっかりと伸ばし、終わる直前にフワッと落とします。
音を下げるのは歌い慣れないとなかなか勇気が要りますが、自然に消えるような感じに落とせるように練習してください。
あまり多用するとくどくなるので、基本的には原曲にフォールが付いている部分のみにしましょう。
こぶし
こぶしはとても多くの曲に用いられているテクニックです。
基の音に装飾音を付けて変化をつけます。
演歌でのこぶしは一番の聴かせどころとも言えるテクニックなので、かなり複雑な装飾音が付けられていることがあります。
原曲を何度も聴いて真似をしてみましょう。
ポップス系では比較的難易度は低めで、よく使用されるのは主に2種類です。
例えばドの音にこぶしをつけるとするとします。
1種類目は、一つ上の音を間に挟んでドレドと歌う形。
最初のドレが装飾音なので、できり限り早くドレを歌いドに着地します。
2種類目は、ドの前に歌った音を引っかけてくる形。
例えば前の音がレとすると、レドという具合に音を付け、先ほどと同じようにレは一瞬ですぐにドに着地します。
これは気づかないかもしれないくらい、さりげないこぶしです。
ここでは音階で説明しましたが、一つの母音の中こぶしが付くことになるので、ア・ア・アやア・アという発音になります。
これは声帯の動きで付けるテクニックなので、なかなかすぐにはできないかもしれません。
まずはテンポを落としてゆっくりと歌い、できるようになったら徐々にテンポアップして原曲の速さにもっていくような練習をしてみてください。
慣れればできてくると思うので諦めずに挑戦してみてください。