カラオケ上達メソッド10/中級編「曲のタイプ別練習法」
スローテンポの歌
誰かを想うラブソングや失恋ソング。
懐かしく過去を振り返ったり、未来を想像したり。
ゆったりと流れるメロディをしっとりと歌いたいですよね。
スローテンポの歌は一音一音が長く、音の動きも緩やかで伴奏も静かです。
否が応でも声が前面に出ることになるので、発声がとても重要です。(メソッド5「発声」参照)
まずは音程を安定させること。
なかなか難しいことですが、声を真っすぐ出すことである程度安定します。
弱く歌うべきAメロなどは特にしっかりと真っすぐに声を出しましょう。
しっとりと歌うには「レガート唱法(なめらかに歌う)」が必須です。
「なめらかに歌う」とは、優しく歌うというようなことではなく、音と音とのつながりを一本の線で描いたように歌うことです。
これは息の流れが関わってくるので、メソッド4「呼吸法」をご参照ください。
具体的には「その音を同じ太さで伸ばしたまま次の音に入る」ということです。
次の音に入る直前で少し抜けてしまう人が多くみられます。
次の音、そしてまた次の音に向かってずっと声を出し続ける、これが「レガート唱法」です。
フレーズ(まとまり)を考えて歌うと効果がわかると思います。
歌詞の子音がレガートを邪魔する要因になることがあるので、子音を抜いて母音だけで歌う練習がお勧めです。
母音だけでなめらかに歌うことができたら、子音を戻しても同じように歌えるようにします。
そしてそれに強弱でメリハリを付けると、なめらかでしっとりと張りのある歌に仕上がります。
アップテンポの歌
スローテンポの歌とは逆で、一つ一つの音が短く、音の動きが速い歌が多いです。
言葉数が多く一つの音にかけることができる時間が短いので、一瞬でしっかりと音程をとることが求められます。
そして、アップテンポの歌はどうしても遅れがちになり、リズムも甘くなります。
スローテンポの歌は発声などの基本が中心ですが、アップテンポの歌はそれに加え、声帯や腹筋、背筋などの瞬発力も必要です。
何度も歌って慣れるのも良いですが、実際のテンポより遅く歌い、徐々にテンポアップしていく方法のほうが効率が良いと思います。
まず、曲の中で歌えない、歌いにくいという場所をピックアップして、音程がきちんととれるくらいの遅いテンポで何度も歌います。
できるようになったら少しテンポを上げます。
またできたら少しテンポを、と言うように少しずつテンポを上げていき、本来のテンポまでもっていきます。
「少しずつ」がポイントです。
何度も繰り返しているうちに声帯や感覚が慣れて反応できるようになるので気長に練習しましょう。
これは音程のための練習ですが、同時にテンポとリズムも改善されてきます。
ズレを修正して全て枠の中に収めてください。
瞬発力を鍛えて、ビシッとカッコよく歌ってみてください。
長調、短調の歌
歌には長調(メジャー、明るい)と短調(マイナー、暗い)のものがあります。
これはテンポに関わらず、曲調や歌詞の内容などを考慮して歌い方を少し変えます。
楽しく元気な歌は明るい声で、悲しい歌は暗い声でという感じです。
声を使い分けるわけですが、モノマネのように声を変えるわけではなく、口の形や響かせ方で変えます。
明るい声は、口角を上げるように開けて、はっきりとした浅い母音で歌います。
そして暗い声は、口の奥を広くして厚みのある深い母音で歌います。
これをスローテンポとアップテンポにそれぞれ合わせてみるとおおよそ次のように効果があります。
積極的に取り入れて、レベルアップしてください。
長調(メジャー)・・・優しい、明るい
短調(マイナー)・・・悲しい、重厚
長調(メジャー)・・・陽気、キレが良い
短調(マイナー)・・・激しい、緊張感